2015-01-01から1年間の記事一覧

今年もお世話になりました

2015年もあとわずか、会員のみなさまには今年も大変お世話になりました。おかげさまで今年も、8月、12月のシンポジウムおよび研究発表会の開催、また6月には日記文学研究誌を発刊することができ、事務局として最低限の役割は果たせたかと思っております。来…

山下太郎氏「歌物語の<リ>と<タリ>-「詠めり」と「詠みたり」-」

山下太郎氏「歌物語の<リ>と<タリ>-「詠めり」と「詠みたり」-」(『古代文学研究第二次 第二十四号』2015年10月)は『伊勢物語』『大和物語』を中心に、助動詞「り」と「たり」に、それぞれ「現前」と「現存」を表す意味機能を解析し、そこに言語主体の認…

役員選出内規改正の件

今大会は、本来二年に一度の役員選挙の大会にあたっていましたが、会の運営状況からこれからは夏の大会をもって選挙を行うことになりました。そのため、これまでの役員選出内規の改正をする必要が生じ、運営委員会、総会の審議を経て、認められました。以下…

第69回大会を終えて

年内最後の大会も盛況のうちに終了しました。『讃岐典侍日記』『和泉式部日記』『紫式部日記』とバラエティに富んだ、充実した発表に対して、質疑も途切れることなく続き、懇親会、二次会にも大勢の参加者がありました。日記文学会の前身、日記文学懇話会は…

第69回大会要旨③

「紫式部日記絵巻」に見る『紫式部日記』享受の諸相 ―楽府進講図を中心に― 川名淳子 紫式部日記の本文を詞書にほぼ忠実に取り入れ、日記全体の絵画化を試みた紫式部日記絵巻には、日記が持つリアリズムを尊重する精神と、盤石なる摂関体制が築かれた寛弘期へ…

第69回大会要旨②

『和泉式部日記』の「鴫」 ―宮邸入り決意の起伏に見られる歌ことばの考察― 副島和泉 『和泉式部日記』後半部、女が帥宮の邸へ入る決意を固めようとする中、宮が作文会などの諸事情によってなかなか逢瀬が叶わず、その思いを霜の降りた風景に託し二首の歌を贈…

第69回大会要旨①

第69回大会における発表者の要旨を発表順にご紹介します。 『讃岐典侍日記』における鳥羽帝の存在をめぐって 柴田まさみ まるで季節が夏から秋に移ろうようにして、『讃岐典侍日記』の時空は、〈われ〉として登場する書き手が、弱りゆく堀河帝を看護る上巻か…

展示「和歌と神道―上野理旧蔵資料から―」

ちょうど、早稲田大学図書館では下記の展示が開催中です。 大会の合間、あるいは大会前にお立ち寄りになってはいかがでしょうか。 12月開催企画展「和歌と神道―上野理旧蔵資料から―」 http://www.wul.waseda.ac.jp/opactest/file/image/news/570.jpg 期間 :…

明日の大会

明日12日(土)、第69回大会が早稲田大学16号館5階501教室で行われます。研究発表会は13時半からです。会員の皆様には、多数ご来場くださいますようお願い申し上げます。会員以外の方も、来聴歓迎です。委員の先生方には、それに先立ち、12時から委員会が行…

日記文学会第69回大会

日記文学会第69回大会が下記のように開催されることになりました。会員の皆様には、先週末にご案内を差し上げましたが、しばらくお待ちいただいて届かないようでしたら、事務局までご一報ください。 日記文学会第69回大会 2015年 12月12日(土) 早稲田大学 …

「女が歴史を書くということ―東ユーラシアの中の『栄花物語』―」

小山利彦氏・河添房江氏・陣野英則氏編『王朝文学と東ユーラシア文化』(2015年10月・武蔵野書院)が上梓されました。今もっとも注目すべきテーマのもとに、十六人の論客による全十七編の論考が並んでいるのは、まさに圧巻です。ここでは仮名日記にも多く言…

12月12日(土)に決まりました!

日記文学会の第69回大会の日程が12月12日(土)に決定しました。今回は、通常の研究発表会になります。10月中旬には発表者募集のお葉書をお送りする予定です。 来年の夏の大会は、シンポジウム開催の予定ですので、この機会を逸すると、通常の研究発表会には…

『四条宮下野集』の新しい注釈

平安時代の仮名日記を考えるうえでも重要な作品『四条宮下野集』の新しい注釈が現在、和田律子、横溝博、高橋由記、中村成里、有馬義貴の各氏の共同作業によって進行中ですが、このたび、その第四弾が刊行されました(『鳳翔学叢』第11輯、平成27年3月)。今…

源氏物語の世界―蹴鞠と王朝装束―

(先日の大会会場で和田律子先生からご案内をいただきました) 10月3日、10日、17日と、流通経済大学創立50周年記念講座として、「源氏物語の世界―蹴鞠と王朝装束―」が開催されます。3日の畠山大二郎氏による王朝装束の着装実演や17日の上田 恒弘…

作品を読むということ

作品を読みこむことの大切さをあらためて教えてくれるのが、渡邊久壽先生の「『蜻蛉日記』の「序文」再考」(明治大学文学部紀要「文芸研究」第百二十六号・2015年3月)です。ご論文は序文を縦横無尽に論じ、間断とするところがありません。活字テキストで通…

第六九回大会について

次の第六九回大会は通常の研究発表会です。11月中旬を目途に、発表募集をかける予定です。会員の皆様にはふるってご応募ください。なお、第六九回大会の日程については、現在12月12日(土)もしくは19日(土)を予定しています。前者を第一候補で考えており…

「『更級日記』における『源氏物語』の浮舟」

有馬義貴氏「『更級日記』における『源氏物語』の浮舟-孝標女らしき人とのずれをめぐって―」(「奈良教育大学国文ー研究と教育ー」2015年3月)は、先行研究を周到に押さえながら、『日記』の浮舟引用が『日記』に記された孝標女(孝標女らしき人)とは重な…

第六八回大会のご報告

一昨日、盛況のうちに第六八回大会を終えることができました。基調講演、パネラー報告、討議すべてにおいて実り多いものであったと思います。ご登壇いただいた先生方、当日ご参会いただいた皆様に心より御礼申し上げます。当初の予定よりも多くの方々にご参…

いよいよ明日、第六八回大会です

いよいよ明日、第68回大会を開催します。『建礼門院右京大夫集』のシンポジウムです。長年の会の懸案であった中世日記のシンポジウムでもあります。本日、事務局総出で、資料の印刷(結構量がありました!)、会場の確認、領収書の作成など、大体の準備をす…

日記文学研究誌の投稿締切について

先月、学会誌『日記文学研究誌』の第十七号を刊行しました。創刊号の刊行は一九九九年四月でしたので、月日が経つのは本当に早いものです。そして、次号第十八号の投稿締切が来月(九月)末日と迫ってまいりました。投稿希望の会員におかれましては、ぜひ早…

8月29日(土)日記文学会シンポジウム要旨 その2

パネラー報告 谷知子氏 『建礼門院右京大夫集』と和歌文学 『建礼門院右京大夫集』には、三五九首の和歌(九州大学図書館蔵細川文庫本による)が収められている。長い詞書を持つ和歌もあれば、七夕歌群と呼ばれる和歌もある。報告者は以前、全歌の注釈を行っ…

8月29日(土)日記文学会シンポジウムの要旨 その1

8月29日(土)13時半から早稲田大学で開催されるシンポジウムの要旨をご紹介します。開催の詳細はホームページあるいは前掲のブログ記事をご参照ください。 基調講演 三角洋一氏 中世文学における『建礼門院右京大夫集』の位置 ――中世日記紀行文学の文体のバ…

第68回大会のお知らせ

すでに会員の皆様には通知をし、またホームページでも紹介しましたように、8月29日に『建礼門院右京大夫集』を中心とするシンポジウムを開催いたします。会員のみなさまには多数ご来場いただきますようお願い申し上げます。会員以外の方もご自由に来聴できま…

『新時代の源氏学7複数化する源氏物語』

2015年5月竹林舎から刊行された表記の書は、十二本の質の高い、興味深い論考を掲載していますが、その中の横溝博氏の論考「平安時代の『源氏物語』本文―物語は本当に“書写”されたのかー」は『更級日記』に多く言及し、日記文学研究にも重要な視座を提供して…

会員の皆様へのお知らせ

会員の皆様には、7月16日(木)夜に、第六八回大会のお知らせ、会費納入状況のお知らせ、「日記文学研究誌」第十七号などをスマートレターにて発送しました。あと数日お待ちになっても届かない場合は、恐れ入りますが、事務局までご一報ください。

『王朝歴史物語史の構想と展望』が刊行されました。

このたび、本会の会員である桜井宏徳氏が加藤静子氏とともに編纂した『王朝歴史物語史の構想と展望』が刊行されました。30名にも及ぶ気鋭の研究者が仮名文の歴史叙述の内実と有機的な転換のありように迫っており、この大著は歴史物語研究を未来に切り拓く、…

小谷野先生の近著、ご講演のご案内

遅ればせながら、本年もよろしくお願い申し上げます。 さて、会員の柴田まさみ氏から本会の代表委員もお務めいただき、本会の発展に多大な貢献をなさっている小谷野純一先生の近著、およびご講演のご案内をいただきました。先の大会で、このブログで会員の活…