「日記文学研究誌」第十九号刊行

 「日記文学研究誌」第十九号を発刊しました。昨夏のシンポジウム「藤原頼通の文化世界」の成果である五本の論考と、『建礼門院右京大夫集』をめぐる論考が掲載されています。今、ホットな研究課題である頼通文化圏をテーマにしたシンポジウムは会の内外から多くの注目を集めましたが、本号はその成果を集約し深めたものです。『右京大夫集』をめぐる論考も、分科会に関わるもので(一昨年には当該作品のシンポジウムもありました)、本会の地道な活動が着実に実を結んでいることが実感されます。

シンポジウム『藤原頼通の時代と文化世界』を開催して   横溝博
藤原頼通の文化世界                   和田律子
             ―文化発信と知の共有の基層―
和歌宰領者としての頼通                 加藤静子
             ―和歌六人党藤原範永という視座から―
頼通時代の後宮文化                   高橋由記
             ―『四条宮下野集』と皇后寛子―
作り物語の〈時代〉                   有馬義貴
             ―『狭衣物語』成立の背景―
建礼門院右京大夫集』の『讃岐典侍日記』受容      小林賢太
             ―序跋・巻末追記を中心に―